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訪日マレーシア人旅行者の誘致やプロモーションを行うために肝心なのは、マレーシア人の特徴を知ることです。
そこで今回は、訪日マレーシア人旅行者の行き先や旅の傾向から、マレーシア人の性格や食生活といった基本情報まで紹介。インバウンド・アウトバウンド施策を検討中の方は、ぜひご参考ください。
50万1700人(2019年年間)で過去最高を記録。2019年12 月は、単月として過去最高となる 7万8300 人の訪日外客数を記録しました。近年、訪日者数は年々右肩上がりに上昇しており、ビザ要件が緩和された2013年の約18万人から倍以上に増えています。
2019年は約665億円。2013年時点では256億円程度だったため、数年で倍以上に増えています。
1位:大阪府(46.6%)
2位:東京都(45.9%)
3位:京都府(36.6%)
4位:千葉県(29.1%)
5位:北海道(21.1%)
出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』
最近の訪日マレーシア人旅行者の傾向として、関西地方の人気が高く、大阪、京都へセットで巡る旅行者が増えています。大阪はグルメやショッピング、京都は金閣寺、銀閣寺、清水寺など写真に収めたくなるような歴史の古いお寺を巡る人が多く訪れています。
大阪から入国し、東京から出国することも多いです。東京は、東京国際空港があるため旅の中継地点として利用者が多く、ショッピング目的の人も少なくありません。また、千葉県は東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが目的と考えられます。5位の北海道では、雪景色、ラベンダー畑、海鮮料理がマレーシア人に人気が高いようです。
出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』
マレーシア人観光客は観光目的で2回以上来日している人は45%近くもいます。地理的な距離が長いことも考慮すれば、熱心な日本好きが多いことが分かります。
出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』
マレーシア人観光客は団体旅行が81.9%と、外客全体と同じぐらいの割合です。
出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』
マレーシアの観光客が3日以内しか滞在しないケースは、約1%です。7日間以上の滞在が60%以上と、短期間の旅行を好まない傾向にあります。マレーシアと日本の時差が1時間であること、人気の大阪とクアラルンプール間の移動はフライトで約6時間と決して近場ではないことも、関係していそうです。
出典:日本政府観光局(JNTO)
最も多くの人が日本を訪れるシーズンは、年末であり、かつ学年末休暇がある12月。次に人気なのは3月と4月で、4万人を超える人が訪れています。桜を見たくて訪日していると考えられます。日本の夏にあたる7月、8月は、2万人前後で推移しています。
また、7割がムスリム教徒のマレーシアでは、断食シーズンに海外旅行をしない傾向があります。
(参考)マレーシアの祝日はこちら
初めて訪日する割合が約半分なので、定番のスポットを巡ることが多いです。穴場スポットを探すより、友人のSNS投稿やブロガーのサイトなどを見て、興味がある場所を選んで日程を組む人が多いです。また、訪日経験が少ないため、旅前のリサーチは時間をかけることが多いです。マレーシアのムスリム教徒は厳格な方も多いため、旅中にハラルの食を求める訪日客も少なくありません。
日本でしか買えない商品は、特に人気があります。日本限定の商品では、スターバックスコ―ヒーの桜デザインのタンブラーなどが特に人気です。ご当地の限定キーホルダーなどを集める人もいます。
日本のブランドに関しては、カメラ関連(CANON、NIKONなど)、時計(G-SHOCK、CASIOなど)、服(A Bathing Ape、Uniqloなど)、漫画アニメグッズ(ドラゴンボール、ハローキティなど)、カバン(ANELLO、BLUE LABEL CRESTBRIDGEなど)が買われています。スニーカーに関しては、日本のブランド(ASICS、ミズノ)よりも、VANS、NIKE、ADIDASなどの、日本でしか買えない限定品が人気です。中古品に対して抵抗感が少ないため、大黒屋やBOOKOFFなどでブランドバッグを買うことも少なくありません。
食べ物なら、東京バナナ、キットカット、抹茶味のお菓子、白い恋人、ブルボンのアルフォートミニチョコレート、COCA-COLAのご当地限定ボトルなどが定番のお土産。ムスリムではないなら、一蘭ラーメンを食べて、お土産に一蘭ラーメンを買って帰る人も多いです。また、日本商品は安全衛生面でも評価されているので、赤ちゃん用の歯ブラシやビタミン剤なども好んで買う人もいます。化粧品やスキンケアに関しても、もちろん人気で、KOSEの雪肌精、LULULUNのマスク、ANESSAの日焼け止めなどが買われています。
マレーシア人はSNSをよく使うので、友人や有名人の日本旅行記を参考にしている人が多いです。日本好きのFacebook Group(Road TO Japan)でも情報収集をしています。
木村拓哉さん、AKB48、宇多田ヒカルさん、小栗旬さん、金城武さんなど、他のアジア地域でも知名度のある有名人は人気が高いです。ボーカルユニットKiroroは、代表曲の『未来へ』が今でも老若男女に歌い継がれ、日本語で歌える人がいるほどです。また、2018年ミス・ユニバース・ジャパンの女優・加藤遊海(かとうゆうみ)さんは、5歳からマレーシアで育った日本人として知られています。スポーツ選手も知名度があり、カンボジア代表監督兼GMであるサッカー選手の本田圭佑さん、乾貴士さんのほか、マレーシアで人気があるバトミントンの日本代表である桃田賢斗さんらが有名です。マレーシアの巨大企業、テクスケム・リソーセズ会長の小西史彦氏は、民間人として最高位である称号「タンスリ」を授かった実業家として、ビジネス界で知らない人はいない存在です。
資生堂、雪肌精(コーセー)、ツバキなど、日本の大手ブランドの化粧品は人気が高い傾向にあります。さらに詳しい情報は下記をご覧ください。
✧ 台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア 化粧品使用の実態 調査結果 vol.2
以前とったアンケートでは、醤油、味噌、ワサビの順で好きな人が多い結果になりました。
台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア 利用する調味料の実態 調査結果 vol.2
マレーシア人は日本の商品をECで買った経験のある人が多数。日本の商品を購入する際、ECサイトのLazada、11STREET、RAKUTENが一番よく使われています。
ECサイトで何を買う? アジア6カ国の日本での ショッピング調査・結果発表
名称 マレーシア (Malaysia)
主要都市 クアラルンプール (Kuala Lumpur)
面積 約33万km²(約日本の面積の90%)
人口 約3,200万人(2017年マレーシア統計局)
言語 マレー語(国語),中国語,タミール語,英語
宗教 イスラム教(連邦の宗教)(61%),仏教(20%),儒教・道教(1.0%),ヒンドゥー教(6.0%),キリスト教(9.0%),その他
通貨 マレーシア・リンギット (Malaysian Ringgit, MYR)1リンギット=約26.6円(2018年12月31日終値(マレーシア中央銀行))
一人当たりの名目GDP 11,340米ドル(2017年:IMF)
日本との時差 -1時間
出典:外務省「マレーシア基礎データ」
多民族国家なので、他の宗教や文化を尊重する傾向がある。
日本と違って、多彩な民族が共存しているマレーシアでは、世界的に見ても、他の民族の考え方、宗教や文化を尊重している国ともいえます。
中華系の旧正月の時期に中華系の職員が休みを取って、中華系以外の職員がその仕事をカバーします。逆に、ラマダン明けはムスリムたちは実家に帰る人がほとんどなので、ムスリム以外の職員がムスリムの職員の仕事をカバーします。日本の正月や中国の旧正月の時期で見られる大移動は、少ないかもしれません。
言語や背景が違うため、一般常識という考え方があまりなく、「これ(この人)を知らないのは常識はずれ」という考え方もあまりしません。例えば、マレー系で非常に有名な芸能人でも、中華系マレーシア人は全く知らないことも多いです。
フレンドリーな人が多い
背景の違う方とでも、気軽に話せる方が多いです。困っている人を見かけたら、助けることが頻繁にあります。フレンドリーなため、ストレートな物言いをする時があります。また、素直な性格の人が多いため、日本人の建前を本気で受け取られる場合があります。
ルーズなスタイル
おおざっぱな性格の人が多いです。割り勘でも、おおざっぱな割り勘をすることが多いです。また環境によって、時間にルーズな人が多く、多少の遅刻には寛容です。
外食の選択肢が多い
マレー系料理:スパイスやココナツミルクを多用し、味が濃い料理がほとんどです。マレー系マレーシア人のほとんどがムスリムなので、ハラルの食べ物を常に意識して、飲食店を選んでいます。アルコールがない、豚肉を使わない店だけではなくて、ハラル認証を持っている店だと、ムスリムは安心してお店を訪れます。
中華系料理:中華系の屋台やレストランがあり、中華系マレーシア人は、そこで食べることが多いです。しかしマレー系の飲食店で食事をすることに、違和感はありません。中華系なので、香港の飲茶や、台湾のタピオカティーといった具合に、中華系の食文化も見られます。肉骨茶(Bak kut teh バクテー/豚肉を漢方中国醤油で煮込んだもの)のような、中華系マレーシア人特有の料理もあります。
インド系料理:一番有名な食べ物と言えば、Roti Canai(ロティ チャナイ)とNasi Kandar(ナシ カンダール)です。Roti Canaiは、ナンのような料理で、マレーシア発のインド系料理です。安くて、朝食としても人気です。Nasi Kandarは、白いご飯に、チキンやビーフなどの惣菜を自分で選んで合わせて、食べる料理。ママッストール(Mamak Stall)で食べられます。ママッストールとは、インド系ムスリムが経営する飲食店で、24時間営業も珍しくないです。マレー系(ムスリム)と中華系の方が、ここでTeh Tarik(テータリック/泡が特徴のミルクティー)を飲んで、時間をつぶす光景がよくあります。マレーシアの“飲みニケーション”の場所の一つでもあります。
ちなみにインド系の方は、ヒンズー教の教えで、牛肉を食べません。インド系の方は、中華料理も食べられるので、時々、中華系のフードコートでも食事をします。
ベジタリアン食:中華系とインド系の方のなかには、ベジタリアンも珍しくありません。中華系なら旧暦の月の1日目と15日目をベジタリアンの日にしたり、午前中だけベジタリアン食を食べたりなど、制限付きの食事をする人もいます。
酒を飲むことは少ない
日本のように日常的に誰もがお酒を飲むという習慣はありません。ムスリムがいない場合に限って、結婚式や忘年会など、大きな宴会ではお酒を飲むこともあります。その場合は、強制的な雰囲気もなく、飲まなくても気まずい雰囲気にはなりません。
マレーシアのグルメトレンド
大都会に限定されますが、数年前からは、スマホとアプリの発展の助けもあって、食事配達も盛んになりました。Food PandaとGrab Foodが主な配達業者です。しかしながら、マレーシアでは、公共交通機関があまり発達していないこともあって、車やバイクを移動手段として使うことが一般的です。自分で気軽に買いに行くこともできるため、配達産業は、日本ほど需要は多くありません。
マレーシアのグルメにKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)は大きな存在
前述の通り、マレーシアは多民族国家のため、それぞれの民族の割合が多い居住地の分布、食事の好み、食事制限などもあり、ひとつの共通のトレンドは生まれにくいです。そんな中でも、KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)は面白い存在でしょう。すべての民族が食べることができるため、比較的受け入れやすいようです。現在も不動の位置にあるといえます。日本人にとってのamazonギフト券は、マレーシア人にとってのKFCギフト券(KFC Voucher)で、忘年会やパーティーイベントなどでの賞品としても使われています。
遊びの習慣・マナー
宗教や文化が異なる民族が混ざっている環境なので、互いの祭りや食事制限を尊重して行 動することが必要です。例えば、ムスリムがモスクで礼拝している金曜日の昼は、その近くで騒がないこと。どの宗教のお寺へ行く場合でも、露出の高い服装を避けること。モノを渡す場合は、右手で渡すこと(左手は、ムスリムでは、お尻を洗う手で、不潔とされています。)
食事の習慣・マナー
水道水は飲みません。また、生卵を食べる習慣もありません。素手で食べる習慣も残っています。
友人と交流するならFacebook、チャットアプリならWhatsAppは調査対象の90%が使っています。LINEやTwitterを使っている人は、実態調査結果の半分にも達していません。
台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア スマホ利用実態調査結果
台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア SNS利用実態調査結果(FUN! JAPAN Lab)
ドラえもん、ポケモン、ドラゴンボールが国民的人気です。その次に、ハローキティ、ワンピース、セーラームーン、となりのトトロも10人に3~4人が好き、という割合になっています。さらに詳しい情報は下記をご覧ください。
アニメや漫画でおなじみのキャラクターがランクイン!台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシアで人気のキャラクターグッズ調査結果発表
経済的な自由を手に入れたいためか、起業家を目指す人が多いです。次に人気なのは、教育関連です。おそらく、安定した収入と手厚い福利厚生が得られる先生になりたい人は少なくないです。日本好きな人は、日本への留学を77%近くが希望している結果が出ています。さらに詳しい情報は下記をご覧ください。
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いかがでしたか?「アジア」と一言で言っても、国ごとに人種や言語、宗教観、生活習慣は大きく異なり、インバウンドで有効な施策や、訪日旅行者の需要は異なります。
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