福岡県のインバウンド・訪日外国人観光客データと旅行の傾向
この記事では、アジア地域No.1規模の“日本好き”コミュニティサイト『FUN! JAPAN』を運営する株式会社Fun Japan Communicationsが、これまで企業・行政のインバウンド施策支援を行ってきた知見をもとに、福岡県のインバウンドに関するデータと訪日外国人旅行者の需要動向を解説していきます。
データで見る福岡県のインバウンド状況
訪日観光客数(2019年)
2019年の福岡県の訪日外国人客数は2682287人で、全国7位。
九州地方に位置する福岡県は、クルーズ船やフェリーの港があり、韓国人や台湾人、香港人の訪日旅行者が多く利用することで知られています。特に、釜山に発着するフェリーが就航しており、長年韓国からの訪日旅行者が多数を占めていました。昨今は韓国との社会情勢から、将来的に韓国の旅行者数は減少していくとされています。しかし、多言語対応やWiFi対応施設の増加、博多グルメ人気などもあり、今後も訪日旅行者数全体としては増えていくと予測されています。
訪日観光客数の推移
国別、訪日観光客数の推移
2019年の訪日観光客数を国籍、地域別にみると韓国が訪問者の49.18%を占め、福岡に最も多く訪れています。続いて台湾が14.21%、中国12.11%、香港9.73%、その他2.44%となっており、この上位5カ国で全体の87.67%を占めています。
インバウンド消費額(2019)
・インバウンド消費額は1761億円で全国5位。
・1人1回あたりの旅行消費額単価は65671円で全国5位。
・1人1泊あたりの旅行消費単価は17316円で全国6位。
インバウンド消費額の国別割合(2019)
2019年のインバウンド消費割合を国籍、地域別にみると韓国がインバウンド消費額の32.32%を占め、福岡県で最も多く消費しています。続いて中国が23.94%、香港12.59%、台湾12.56%、ベトナム3.48%となっており、この上位5カ国で全体の84.89%を占めています。
費目別消費内訳(2019)
福岡県における2019年のインバウンド消費額を費目別でみると、買物代が消費額全体の46.9%を占め、続いて宿泊費が26.08%,飲食費が21.87%となっています。
アジアの訪日外国人の意見
福岡県に対するアジアの訪日外国人観光客の第一印象
FUN! JAPANの全対象国が、福岡の第一印象で「豚骨ラーメン」を上げました。
意外にも、ムスリムが多いインドネシア人やマレーシア人の間でも、実際に食べるか否かは別にして、とんこつラーメンが有名で、「福岡といえばとんこつラーメン」という印象が強いようです。訪日リピーターの多い台湾人や香港人は、とん骨ラーメンに加えて、明太子、水炊き鍋といった博多グルメ、太宰府天満宮といった観光スポットも上げていました。
福岡県でアジアの訪日外国人観光客の人気の観光地
訪日リピーターの多い台湾、香港、そしてタイでは、福岡城、天神(特に屋台)、太宰府天満宮、河内藤園、門司港などが定番の観光スポットとして名前が上がりました。
仏教徒が多く、寺社仏閣や大仏が好きなタイ人には、全長41m、高さ11mにも及ぶ青銅製の釈迦涅槃像が有名な南蔵院も、外せないスポット。
しかし残念ながら、インドネシア、マレーシア、ベトナムの人々からは福岡県の具体的なスポット名は出ず、人気の観光地の印象はないようでした。
福岡県でアジアの訪日外国人観光客に人気の体験、アクティビティ
台湾、香港、そしてタイの訪日旅行者の間では、日本の屋台やグルメ巡りが、人気の体験アクティビティのようです。残念ながら、インドネシア人、マレーシア人、ベトナム人からは具体的な体験やアクティビティ名は出ず、とくに印象がないようでした。
福岡県でアジアの訪日外国人観光客に人気のグルメ
リピーターが多い台湾、香港、そしてタイの間では、とん骨ラーメン、明太子が人気のグルメのようです。特にハードリピーターともいえる台湾では、あまおう、焼きカレーといったグルメもあがりました。
残念ながら、インドネシア、マレーシア、ベトナムでは、ラーメン以外の博多グルメは認知度が低く、とくに印象はないようでした。
福岡県でアジアの訪日外国人観光客に人気のおみやげ
台湾人、香港人、タイ人の間では、博多通りもん、梅ヶ枝餅、明太子、めんべいが人気のおみやげのようです。また、信心深いタイ人の間では、太宰府天満宮に関連する商品が人気のようです。インドネシア人、マレーシア人、ベトナム人からは、人気の福岡のおみやげは出てきませんでした。
福岡県でアジアの訪日外国人観光客に人気の宿泊エリア
いずれの国も、宿泊エリアでダントツ人気だったのは博多エリアでした。加えて香港人は天神周辺、台湾は天神や祇園と、繁華街が人気の宿泊エリアのようです。
信心深い人が多いタイ人の中には、太宰府エリアに宿泊する人もいるようです。
インドネシア人、マレーシア人、ベトナム人からは人気の宿泊エリアは特に出てこず、印象が薄いようでした。
参考資料:訪日外国人消費動向調査(官公庁)、訪日外客数の動向(JNTO)より推計
いかがでしたか?都道府県によってインバウンドの有効な施策や、外国人旅行者からの需要は異なります。弊社Fun Japan Communicationsでは、これまでの知見を活かし、さまざまな企業様・自治体様に向けて、プロモーション施策のサポートや、メディア運用の代行サービスを実施しております。
福岡県向けのインバウンド施策や、海外ユーザー・訪日旅行者の取り込みをお考えでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。