アジアの「富裕訪日層」が日本に求める観光資源やサービスは?【FUN! JAPAN】
2022年春から段階的に訪日客の受け入れが再開し、2022年6月の訪日外国人数(推計値)は、12万400人を達成。ウィズコロナ時代の観光がスタートしました。
観光庁は2030年訪日外国人旅行者数6,000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円などの目標達成に向け、「富裕層」などをターゲットにした観光資源の開発と環境整備が急務と発表しています。
アジアの富裕層は日本に何を求め、どんなプロモーションが適切か、Fun Japan Communicationsによる分析と考察をお伝えします。
アジアの富裕層事情
クレディ・スイスのグローバル・ウェルス・レポート2021によると、アジア太平洋地域の成人1人あたりの富(※)は、2020年時点で6万790ドル(約815万円)です。
※金融資産や不動産などの価値から債務を差し引いた純資産
では、100万米ドル(約1億3,000万円)以上の富を有する“ミリオネア”は、どのくらいいるのでしょう?クレディ・スイスによると、以下のようになっています。
人口に占めるミリオネアの割合を見ると、インドは0.1%であるのに対し、香港は8.3%。香港では実に12人に1人がミリオネアということになります。
ちなみに、世界で最もミリオネア人口が多いのはアメリカで、約2,195万人。日本は366万人で、アメリカ、中国に次ぐ3位でした。
クレディ・スイスは、アジアの富裕層の数は今後増加すると予測しており、2025年時点のミリオネアの数を台湾 127万人(2020年比69%増)香港 83万人(59%増)シンガポール 43万人(61%増)インド 127万人(81%増)
と推計しています。
では、アジアの富裕層は、どのようなものにお金を使っているのでしょう?イギリスの不動産コンサル、ナイトフランクが公表した「The Wealth Report 2022」では、アジアの富裕層がどのような高級品にお金を費やしているのか紹介されています。それによると、1位 アート2位 時計3位 ジュエリー4位 クラシックカー5位 ワイン
という結果でした。これらはオークションで高値で売買されることが多いことから、投資の意味合いも大きいのかもしれませんね。
アジア人訪日富裕層の消費行動
観光庁が2021年3月に発表した報告書「上質なインバウンド観光サービス創出に向けて」では、訪日富裕旅行者の特徴も挙げられていました。
カード決済300万円以上をTier1、100万円以上300万円未満消費をTier2と分類。国・地域別の消費金額を見ると、訪日旅行者のうち上位10位の富裕層をアジア諸国が占めていることが分かります。さらに、香港、タイ、シンガポールについては、一般層での構成比より富裕旅行者の構成比の方が大きいという結果が出ています。
アジアに比べて、欧米豪の訪日旅行者の方が、消費額が多いというイメージを持たれている方もいるかもしれません。しかし、FUN! JAPAN対象国であり、今後も成長が見込める東南アジア、香港、台湾からの旅行者の消費金額が高いことは数字にも表れています。
アジア人訪日富裕層が日本旅行に求めることは?
同報告書では、富裕旅行者の訪日促進に向けて取り組むべき課題として、下記6つを挙げています。
1.上質な宿泊施設の開発促進
2.富裕旅行者の関心に沿う観光コンテンツの造成
3.シームレスで快適な移動
4.サービスの多様性、柔軟性
5.人材育成と富裕旅行産業エコシステムの形成
6.積極的な富裕旅行誘致:我が国の強みである文化を核としたブランディングと情報発信の強化
すべての項目から見えてくるのが、富裕旅行者は高いクオリティかつ柔軟性のあるサービスを求めているということです。プライベートジェットやスーパーヨットによる周遊、宿泊施設での上質なサービスの提供、富裕旅行者の関心に沿った説明ができるガイドなど、一人ひとりにカスタマイズした観光体験を提供することが必須です。
アジア人訪日富裕層への効果的なプロモーションとは
アジア人訪日富裕層へのプロモーションは、サービスや商品、顧客群と、要素によってアプローチが変わります。入国から出国まで、宿泊、飲食、アクティビティ、買い物、交通など、旅行のあらゆる行程において一気通貫で柔軟性のあるサービスを求めるため、平均的な顧客を対象としたマスマーケティングより、1to1マーケティングが効果的であると考えられます。
Fun Japan Communicationsは、訪日富裕層の構成上位国の会員を127万人以上抱え、メールマガジンや座談会を通して1to1のコミュニケーションを大切にしながら会員をデータベース化しています。リサーチ、情報発信、web広告と、あらゆるデジタルマーケティングを駆使して最適なプロモーションを行うFun Japan Communicationsとパートナーとなり、訪日富裕層へのアプローチ方法を一緒に見つけていきましょう。