News

ベトナム人インバウンドの特徴|FUN! JAPANアジア訪日外国人観光客データ

訪日ベトナム人旅行者の誘致やプロモーションを行うために肝心なのは、ベトナム人の特徴を知ることです。

そこで今回は、訪日ベトナム人旅行者の行き先や旅の傾向から、ベトナム人の性格や食生活といった基本情報まで紹介。インバウンド・アウトバウンド施策を検討中の方は、ぜひご参考ください。


訪日ベトナム人旅行者(ベトナム人インバウンド)の基本情報

ベトナムからの訪日者数

49万5100人(2019年年間)で過去最高を記録。約38万9000人だった2018年から1年間で約10万人も増加し、初めて年間40 万人を超えました。訪日者数は、年々右肩上がりに増加しています。

2018年から、ベトナムを代表するLCC「Vietjet(ベトジェット)」が、関西~ハノイ・ホーチミン線、成田~ハノイ線と続々と直行便を増やしており、今後も日本への旅行者は増える予想。また、それに伴って「ベトナム航空」も定期的にセールを行っており、安い航空券を購入して1ヶ月滞在でゆっくりと旅する人もいます。

訪日ベトナム人旅行者の消費額

2019年は約875億円で歴代最高を記録しました。約2014年時点で295億円程度だった訪日ベトナム人のインバウンド消費額が、数年で約3倍に増えています。

訪日ベトナム人旅行者の都道府県別訪問率

1位:東京都(68.1%)
2位:大阪府(64.2%)
3位:千葉県(55.0%)
4位:京都府(49.7%)
5位:愛知県(26.4%)
出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』


最近の訪日ベトナム人旅行者の傾向として、東京、山梨、大阪、京都、奈良をセットでまわるツアーに参加する人が一般的です。特に東京は、浅草寺や秋葉原など、代表的な観光スポットを中心として旅行を楽しんだり、日本メーカーの家電製品を求めて買い物したりします。

大阪はグルメやショッピング、京都や奈良は金閣寺、清水寺、東大寺など写真に収めたくなるような歴史の古いお寺巡りのために観光客が多く訪れています。

また、千葉県は成田空港までのフライトを利用する人が多いと考えられます。5位は、日本で2番目にベトナム人の人口が多い愛知県。日本語学校なども多いため、ベトナム料理店なども多く、日本初心者にも旅行しやすい街として人気です。

ベトナム人の訪日回数(観光目的)

出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』


他の外客全体に比べると、ベトナム人観光客は1回のみの訪日回数が全体の70%以上を占めています。リピート率がまだ低い理由として、ビザ申請が難しいことや、日本が自国と比べて物価が高いという理由が考えられます。

訪日ベトナム人の旅行形態(観光目的)

出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』


外客全体に比べると、団体旅行の割合は高くなっていますが、約50%は個人旅行を選んでおり、個人旅行にも一定数の需要があることが分かります。
観光やレジャー目的で複数の都市を周る場合は団体ツアー、仕事や出張目的で来日する場合はLCCや旅行サイトを使って個人で手配するなど、目的に合わせた旅行形態を選ぶ傾向があるようです。

訪日ベトナム人の滞在日数(観光目的)

出典:観光庁『訪日外国人消費動向調査(2019年版)』


3日間以上の滞在が約90%以上です。ベトナムから日本まで旅行するのに手続きが複雑であるため、せっかく行くなら長く滞在したいと思う傾向にあります。団体ツアーの場合は、観光名所を訪れるために、7日間以上で5つの都道府県に回るコースを選ぶ人が多いです。また、個人旅行する人は、時間をかけてゆったりと観光したり、お土産探しを楽しみのひとつとして買い物したりする傾向があります。

月・年別 訪日ベトナム人数の推移

出典:日本政府観光局(JNTO)


最も多く訪れるシーズンは、春を迎える3~4月です。気温が暖かく、桜シーズンになるということもあるため、訪日したいと考える人が多いです。また、10月に入ると、色とりどりの紅葉を鑑賞したくて訪れる人も少なくありません。高温多湿で絶景ポイントがあまりないベトナム出身者にとって、「過ごしやすい気温」と「絶景鑑賞」は、旅行の重要な動機になっているかもしれません。

(参考)ベトナムの祝日はこちら

訪日ベトナム人観光客の特徴

日本に旅行するベトナム人の傾向

前述のとおり訪日回数1回の日本ビギナーが多いため、代表的な観光スポットを訪れることが定番になっています。例えば、東京タワーや富士山など、王道スポットを巡り、綺麗な写真や動画を撮って記念に残す傾向があります。特に、都市部や人で賑わう場所を好んでいます。

旅行に関する概念として、「ゆっくり休む」よりも、「思いっきり遊ぶ」という考え方が一般的であるため、旅行中は時間を最大限に使って、様々な場所に観光する傾向があります。また、海外旅行はベトナム人にとって特別なイベントであり、家族や友達などで行くことがほとんどです。フレンドリーな国民性であるため、旅行中の新しい出会いやコミュニケーションを楽しむ人も多くいます。

ベトナム人の日本旅行のパターンは、花見(桜や紅葉など)夏祭り・花火大会、温泉、買い物(日本ブランド、アウトレットなど)、絶景スポット(ベトナムの自然絶景があまりないため)、グルメ(特にお寿司・牛肉、海鮮、刺身など)があります。

ベトナム人に人気のお土産

ドラッグストアの商品は特に人気があります。日本製の医薬品・サプリメント(コンドロイチン、DHA)や化粧品(特に資生堂、SK-II、DHC)といった信頼感があるかつ日本でしか買えられないものに興味津々です。ベトナムで買うより日本の方が安くなるので、大量に購入する人もいます。

訪日ベトナム人観光客の情報収集スタイル

ベトナムの中年層は自分で調べるよりも、知人から話を聞いたり、旅行会社におすすめのプランを聞いたりして情報を集める傾向があります。若者はインターネットやSNSの利用に慣れているため、「Vietravel」「Saigontourist」といった旅行サイト、またはFacebookなどで有名な観光スポットを調べることが多いです。

ベトナムで人気の日本の有名人

90年代、ベトナムで日本の漫画がブームだったこともあり、ベトナムで有名な日本人は漫画家が多いです。よく知られている有名人は、『ドラえもん』の作者である藤子・F・不二雄さん、『名探偵コナン』の作者・青山剛昌さん、『ONE PIECE』の作者・尾田 栄一郎さんなどが挙げられます。

最近では、フィギュアスケートの羽生結弦選手はベトナムでも活躍がニュースとなり、女性を中心に人気です。村上春樹さんなど日本を代表する作家も有名。また、政治に関心の高いベトナム人の間では、安倍晋三首相もよく知られています。

ベトナムで人気の化粧品ブランド

資生堂、SK-II、雪肌精(コーセー)、シュウウエムラなどの高級ブランドは、ベトナムの大型商業施設(イオンモール、ビンコムセンター、ホーチミン高島屋、ロッテセンターなど)で取り扱いがあるため、知名度と信頼度も抜群です。。一方、ハトムギ化粧水やパーフェクトホイップなどのプチプラコスメも値段が手ごろでありながら、”日本製”の安心感があるため人気です。ベトナムは日差しと紫外線が強いため、アネッサなど日焼け止めや美白化粧品は特に注目を集めています。

ベトナムで人気の日本の調味料

日本といえば「Ajinomoto」という言葉が出るほど、味の素が長年の間ベトナム人に愛用されている調味料の一つです。また、現地で市民権を得ている日本料理、お寿司と一緒に食べる「わさび」も、認知度が上がっています。その他、しょうゆ、みりん、料理酒なども日本料理を作る際によく使用されます。

ベトナム人が日本の商品を買うときによく利用するECサイト

ベトナムでは日本の商品をECで買った経験のある人が7割近くいます。日本の商品を購入する際、Lazada、アマゾン、Shopee、Tiki、楽天などがよく利用されています。さらに詳しい情報は下記をご覧ください。

ECサイトで何を買う? アジア6カ国の日本での ショッピング調査・結果発表

ベトナムの基本情報

名称 

ベトナム社会主義共和国(英語:Socialist Republic of Vietnam ベトナム語:Việt Nam)

主要都市 

ハノイ、ホーチミン、ダナン

面積 

32万9,241㎢

人口 

9,467万人(2018年,越統計総局)

言語 

ベトナム語

宗教 

仏教,カトリック,カオダイ教他

通貨 

ドン(Dong=VND)  1ドン=0.0045 円(2020年4月現在)

一人当たりの名目GDP 

2,387米ドル(2018年:越統計総局)

日本との時差 

-2時間

出典:外務省「ベトナム基礎データ」

ベトナム人の特徴

ベトナム人の国民性・性格・特徴

北部は真面目!中部は和やか!南部は楽観的!

ベトナムは北部、中部、南部の3つの地方に大きく分けられており、各地に住んでいる人々の性格も違いがあります。全体的に見ると、伝統的な雰囲気が漂う首都ハノイを中心とする北部の人たちは真面目で、思慮深いという特徴を持つのに対し、海外の文化や流行を積極的に受け入れる南部はオープンでフレンドリーな人が多いです。一方、ダナンなどの中部の人々は穏やかで、誠実な性格を持っています。

我慢強いがプライドも高い

社会主義国ゆえの経済発展の遅れなどにより、生活が苦しくても、苦労を恐れず前向きに努力する芯の強さがあります。その割に、負けず嫌いでという面もあり、自分の主張を通す意思も高いです。また、ベトナム戦争時代の誇りが、国民全体の自信と精神力の強さにつながっている面もあります。

若者がエネルギッシュで流行に敏感

SNSの普及により、ファッションや話題になっている物事に対して関心を持つ人が増えています。特に若者は、流行をすぐに取り入れ、スピーディーに周りと共有してコミュニケーションを楽しむ傾向があります。好奇心が強く、新しい挑戦が好き。例えば、お寿司やたこ焼きなどの日本料理が流行ると聞けば、場所を調べて食べに行ったり、写真を撮ってSNSに載せたりと、「即・行動」が彼らの性格です。

また、ひとつのことにみんなで熱狂的になることも特徴。サッカー代表の国際試合ともなると、試合後は勝っても負けても国旗をかざして大盛り上がり。平均年齢31歳(2018年)という若い国だからこその熱に満ち溢れています。

中国とフランスの文化に影響を受けている

中国には1000年、フランスには200年の間に支配されたため、この二つの国の文化に強い影響を受けています。ベトナム語は中国の漢字から取り入れたものが多いため、発音が似ているものがいくつもあって面白いです。食文化においては、「バインミー」などは元々フランスパンで作ったサンドイッチからアレンジされ、フランス統治の時代が続いた名残でもあります。

日本好きが多く、「MADE IN JAPAN」への信頼が高い

日本への憧れが強く、新日家が多いです。また、日本製の電気製品や食品など、日本の商品・サービスの「質」に対してとても高く評価しています。近年では、多くの日本企業がベトナムに進出しており、留学や就職の需要も増えているため、日本語の勉強に力を入れる若者も少なくありません。日本のライフスタイルに影響を受けるようになっており、日本人の健康な長寿の秘訣にも非常に興味があります。

宗教の考え方が日本と似ている

ベトナムは仏教のイメージが強いかもしれませんが、人口のうちおよそ7割以上が無宗教といわれています。多民族国家であるため、宗教観も多彩です。
また、宗教を信仰しない一般の人でも、日本のようにお正月の初詣はお寺に参拝したり、葬儀や法事などは仏教の儀式で行ったりします。お寺参りは、旅行・観光の楽しみの一つとして取り組む人も多いため、ベトナム国内ツアーのプランとして企画する旅行会社も少なくありません。

食事スタイル

ストリートフードが基本的で、料理の味付けが豊富

地域ごとの特産があり、食文化も多少の違いがありますが、朝食は外食が一般的です。おやつなど軽食を取りたいときも、路上に販売されるお菓子などを買って、その場で食べることもよくあります。週末になると、家族でお出かけして、おいしいお店でを食べる習慣も浸透しています。また、色んな料理を味わえる食べ放題やバイキングも好きです。

酒を飲むことが多い

日本のように日常的にお酒を飲む習慣があります。中でも、ビールが一番好まれており、年齢関係なく広い世代に飲まれています。ベトナムで友人や会社の集まりがあるときは、飲みに行くことも多いです。特に、結婚式やお祝いの場面など、大きな宴会ではビールや焼酎を飲みます。乾杯の掛け声として、「モッ!ハイ!バー!ヨー!」(1, 2, 3, おー!)が一般的です。

食べるより撮影が優先

「SNS映え」はベトナムでも浸透。食べる前に写真を撮り、FacebookなどSNSに投稿する人が男女ともに多いです。有名なレストランやグルメスポットでチェックインすることも習慣になっており、豪華な料理や高級食材の体験、および話題になっている店に行くといった“リア充生活”のアピールを好みます。

日本のライフスタイルが最近のトレンド

例えば、近年では、玄米を主食、野菜・漬物・乾物などを副食とすることを基本とし、食材や調理法のバランスを考える日本の食事法が徐々に浸透しています。食事法だけではなく、日本の「わびさび」が若者のライフスタイルに影響を与えています。デコラティブな装飾を好むのではなく、インテリアやファッション、生き方や考え方で、ミニマリストを目指す人が増えています。

ベトナム人の習慣・注意すべきマナー

日本と異なる習慣

生卵を食べる習慣がありません。ベトナムのレストランは基本喫煙が可能で、ご飯を食べながら煙草を吸う人が普通です。ほかにもオフィス、バー、路上、大半の公衆エリアでも喫煙でき、分煙の考え方があまり広まっていません。また、レストランを予約したとしても、店側が事前に食べ物を準備するわけでもないので、ドタキャンや時間を守らない人もいます。

日本と異なる食事のマナー

麺を食べる時にすする人は行儀が悪いと思われます。家族や会社の人たちと食事するとき、年下が年上に一言「どうぞ」と先に声をかけてから食べてもらいます。

日本に似ている食事のマナー

食器に音を立てることはマナーが悪いと思われます。家庭で料理を作る習慣があり、ベトナム料理のほか、若い世代は洋食を作る人もいて、オンラインで注文して配達してもらうことも珍しくありません。また、レストランでチップは不要です。

ベトナムで人気のSNS

Facebookが圧倒的に認知度が高いですが、近年ではInstagramを利用する人も増えています。ベトナム人は写真を撮ることが好きで、撮影した写真と動画を周りと共有する人は少なくありません。また、知り合いの投稿に対して「いいね」やコメントなどの反応を見せたり、関心のある公式サイトの記事を活発にシェアしたりしています。また、テキストチャットの通信機能として、Zalo、Skype、Messengerなどもよく利用されています。

ベトナムで人気のあるキャラクター

キャラクターは「ドラえもん」が特に知名度が高いです。アニメが放映されていたジブリの「千と千尋の神隠し」や「ポケットモンスター」、「名探偵コナン」、「NARUTO – ナルト ‐」、「ドラゴンボール」など、日本生まれのキャラクターは若者を中心に愛されています。

ベトナム人の希望就職先および留学先

旅行・観光業、情報通信業やマーケティング関連の仕事への就職を希望する人が多いです。近年では、日本で就職する需要の増加とともに、留学だけでなく、労働派遣、技能実習ビザで来日して、働くベトナム人の実習生・研修生も増えています。

ベトナムで人気の有名人

【お笑い芸人】Hoài Linh
【お笑い芸人】Trấn Thành(お笑い芸人)
【お笑い芸人】Trường Giang(お笑い芸人)
【お笑い芸人】Việt Hương(お笑い芸人)
【お笑い芸人】Chí Tài(お笑い芸人)
【歌手】Đan Trường(歌手)
【歌手】Noo Phước Thịnh(歌手)
【歌手】Hồ Quang Hiếu(歌手)
【歌手】Đàm Vĩnh Hưng(歌手)
【歌手】Sơn Tùng(歌手)
【歌手】Mỹ Tâm(歌手)
【歌手】Khởi My(歌手)
【歌手】Đông Nhi(歌手)
【歌手】Hồ Ngọc Hà(歌手)
【歌手・俳優】Minh Hằng(歌手・俳優)
【俳優】Nhã Phương
【サッカー選手】Công Phượngなど。

ベトナムで人気のブロガー&インフルエンサー&Youtuber

・Trần Quang Đại: https://www.instagram.com/tranquangdai

・Changmakeup: https://www.facebook.com/changmakeup/

・Mẫn Tiên: https://www.instagram.com/manttien/?hl=ja

・Ngọc Trinh: https://www.facebook.com/ngoctrinhfashion89

・Giang ơi: https://www.youtube.com/channel/UC-AJnWGWhPt3ReFnvzRZ-Kg

・Quỳnh Anh Shyn: https://www.facebook.com/qashyn212/

・Trinh Phạm: https://www.facebook.com/Trinh-Pham-1524428337794116/

・Hana Giang Anh: https://www.youtube.com/channel/UC4B_CjUcZ4Y2sFH1WOiFYSQ

・Trần Bảo Bảo: https://www.facebook.com/bbtran2121

・Dinh Hang Travel: https://www.facebook.com/dinhhangstravels/

・Bà Tân Vlog: https://www.youtube.com/channel/UCVEa49SSGKMXv1JrcEoEx_A

・Quỳnh Trần JP: https://www.youtube.com/channel/UCfqlEBRWzGJEFOdcL_RJycA

参照元:https://www.jnto.go.jp/jpn/inbound_market/market_basic_vietnam.pdf


いかがでしたか?「アジア」と一言で言っても、国ごとに人種や言語、宗教観、生活習慣は大きく異なり、インバウンドで有効な施策や、訪日旅行者の需要は異なります。
弊社Fun Japan Communicationsは、これまでの知見を活かし、さまざまな企業様・自治体様に向けて、プロモーション施策のサポートや、メディア運用の代行サービスを実施しております。
ベトナム向けのインバウンド施策や、海外ユーザー・訪日旅行者の取り込みをお考えでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。

お問い合わせ 資料ダウンロード メルマガ登録