【各国ライフスタイルシリーズ 誕生編】アジア6カ国の出産や赤ちゃん誕生にまつわるイベントは?
アジア地域No.1規模の“日本好き”コミュニティサイト『FUN! JAPAN』を運営する株式会社Fun Japan Communications(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤井 大輔、以下Fun Japan Communications)が、アジア各国の人生の節目やライフスタイルを独自リサーチし発表する「各国ライフスタイルシリーズ」をスタートしました。
第1段の本記事では、台湾・香港・タイ・マレーシア・ベトナム・インドネシアのアジア6カ国に暮らす人々の出産や赤ちゃん誕生にまつわるお祝い事について掘り下げます。各国の風習や日本との違いを理解することで、各国ユーザーの消費行動を理解し、御社のプロモーションに活かしてみてはいかがでしょうか。
PICK UP
台湾の赤ちゃん誕生にまつわるイベント
香港の赤ちゃん誕生にまつわるイベント
タイの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
マレーシアの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
ベトナムの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
インドネシアの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
人生の大きな節目のひとつ、出産や赤ちゃんの誕生には、様々なお祝い事がつきものです。日本でも、お宮参りやお食い初めなど、新しい家族誕生のお祝いとその成長を願う様々なイベントを行いますが、世界の国々でも、その国独自のお祝い方法や、贈り物文化があります。
ここからはFUN! JAPAN対象国6カ国の赤ちゃん誕生にまつわるイベントを見ていきましょう。
【調査概要】
調査主体:Fun Japan Communications
調査期間:2020年5月~2020年6月
調査対象者:10人
調査方法:インタビュー定性調査
台湾の赤ちゃん誕生にまつわるイベント
收涎(よだれを垂らさないように)
台湾では、赤ちゃんの初お披露目会も兼ねた收涎(よだれを垂らさないように)というイベンドがあります。收涎は、生後4ヶ月の赤ちゃんに行う儀式で、クッキーを赤い糸で結び、ネックレスのように赤ちゃんに掛けてクッキーを食べさせる真似をします。このお祝いには、親戚や知り合いが集まり、赤ちゃんに縁起の良い祝福の言葉をかけます。
儀式に使われるクッキーは、儀式用の伝統的なお菓子もありますが、現在は一般で売られている洋菓子のクッキーで代用する家庭も多いです。イベントに合わせて、赤ちゃんがテーマのデザインクッキーを特注したり、可愛い服を着せたりして、写真撮影を行います。近年ではドーナツで代用する家庭もあるようです。
抓周(周歲)
日本の「選び取り」と似た伝統的な占い行事で、幼児の前に意味のある品物を置き、どれを取るかでその子の将来を占うものです。抓周は、自宅で行うことが一般的ですが、近年は記念撮影用にフォトスタジオを使ったり、伝統的な古い屋敷などを抓周儀式用に予約したりする家庭も。服装に関しては、儀式用の伝統衣装もありますが、最近は写真撮影用におしゃれなお出かけ着を着せる家庭も多いようです。友人や親せきが同席することは稀ですが、赤ちゃんの1歳を迎えるパーティーを兼ねて開催される場合は、仲の良い友達が参加し、子供へギフトを贈ります。また、最近は妊婦を祝うベビーシャワーがブーム。若い層を中心に、自宅やカフェ・レストランに親しい友人を誘ってパーティーを行う人が増えています。
香港の赤ちゃん誕生にまつわるイベント
百日宴 / 滿月
香港では、赤ちゃんの生後100日後に行う百日宴というお披露目会があります。昔は生後1か月(滿月)で行うことが多かったようですが、近年は「生後1か月の赤ちゃんが大勢の人に会うのは早すぎる」などの理由から、生後100日後に行う百日宴が主流となっています。
百日宴では、レストランやホテル、パーティールームなどを借りて、家族や友人を招待し、赤く染めたゆで卵 (香港では赤い色は喜びや祝いを代表する色。誕生日の際も食べます)や豚足の生姜煮など、縁起の良い食べ物を食べて乳児の誕生をお祝いします。友人や親族は、ベビー用品やお年玉を贈るのが一般的です。
坐月
また、出産後の40日間を坐月といい、伝統的なルールに乗っ取った生活習慣と食事療法を行い、母体を回復させる習慣があります。この習慣は、中国の伝統に沿ったもので、産後に体にいいものや食べてはいけないもの、滋養のために食べるものなど、様々なルールがあります。例えば、母体に良いといわれているのは、豚足の生姜醋(てびちの煮物に生姜と酢をいれたイメージ)。他にはおかゆ、薬膳などの体に負担をかけないものがよく食べられます。このようなルールや、伝統的な食べ物を作るのが大変なため、香港では、坐月の時期に、産後専門のメイドを雇用する家庭も多いそう。「陪月」と呼ばれる、主に産後ママの食事や飲み物などを作る専門のメイドで、一般的な家事は、ほとんど対応しないそうです。
また、この時期の贈り物として、生活用品や漢方薬、ハトムギやツバメの巣、高麗人参など、健康や滋養に良いとされる食品が好まれます。
タイの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
ทำขวัญทารกแรกเกิด (誕生後慰め式)
タイでは、乳児誕生後3~7日の間にทำขวัญทารกแรกเกิด (誕生後慰め式)を行います。これは、「3日目までは精霊(ピー)の子、4日目からは人間の子」ということわざにちなみ、赤ん坊に、「気」のようなものを作ってあげるための初祓の儀式。通常、赤ちゃんが生まれた家などにて、助産師や医師によって行われます。儀式には、バイスリというバナナの葉っぱから作った生け花のようなものや伝統的な薬、ベビーパウダーや香水などが使用され、ギフトとしてお祓い用の手首につける糸と匙がプレゼントされることが多いです。
พิธีโกนผมไฟ (産毛剃りの儀式)
子供が丸 1か月になると、産毛剃りの儀式が行われます。産毛剃りとは、子供の髪がひと塊だけ残るように剃ること。タイでは、この髪が子供の魂の宿る場所で、この髪を残さなければ魂が逃げて子供が病気になると信じられています。儀式は主に赤ちゃんの自宅で、親族を招いて行われ、両親や親族が髭剃りで赤ちゃんの髪を剃ります。
マレーシアの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
マレー系のお祝い:Majlis cukur jambul
引用元:https://www.babycenter.com.my/a1026575/baby-traditions-cukur-jambul
多民族国家で、民族ごとに冠婚葬祭の儀式が異なるマレーシアでは、乳児誕生の祝い方も民族によって様々です。
約7割を占めるマレー系マレーシア人の行事で有名なものは、Majlis cukur jambulという、生後40~44日の赤ちゃんの髪の毛を剃る儀式。新生児の誕生は一大行事のため、親戚や友人が集まって、宴会が開かれたり、親戚や友人が集まって、お祈りしたりする事も多い。また、田舎の方では、家族だけでなく村全体で盛大にお祝いする地域もあります。
中華系のお祝い:滿月
また、中華系のお祝いとしては、赤ちゃんの生後1か月に親戚や友人を招いてお祝いする滿月が一般的。このお祝いの際には、友人や親戚に満月弁当が配られます。
ベトナムの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
Đầy tháng (産後1ヶ月祝い)
ベトナムでは、赤ちゃんが生まれて1か月経つと、1ヶ月祝いというお披露目会のようなイベントを行います。昔ベトナムでは、生後間もない赤ちゃんが亡くなるケースが多くありました。そのため、生後4週間が最も大事な時期で、この時期を健康に過ごすことができれば、赤ちゃんが無事に成長できる可能性が高いといわれてきました。そのため、産後1ヶ月になると、家やレストラン等に、家族と親戚一同が集まり、盛大なパーティーを行います。
また、母親に出産後1か月間様々な決まり事や禁止事項があり、このイベントが終わるとようやく通常の生活に戻ることができます。Đầy thángのギフトとしては、赤ちゃん用の洋服や現金が一般的ですが、最近はミルクやおむつなどの実用品が喜ばれます。特に、日本製品に対する信頼は厚く、ベトナム現地でも贈答品として利用されています。その他には、おもちゃやぬいぐるみ、ベビーチェアなどもプレゼントとして人気です。
Thôi nôi(産後1年お祝い)
Thôi nôiは赤ちゃんが生まれて12か月後に行われるお祝いです。
「ゆりかごから離れる(thôi nôi)」という意味。ゆりかごからの卒業を祝うと同時に、「赤ちゃんの形を作り、乳児を守ってくれた」といわれている”12人の老婆”に感謝するイベント。
儀式は、基本的にĐầy thángと同じですが、儀式の後に将来の職業や才能を占う「選び取り」が行われます。
インドネシアの赤ちゃん誕生にまつわるイベント
Brokohan
Brokohanはインドネシア語で「赤ちゃんの誕生に祝福と安全を求める」という意味の言葉で、赤ちゃん誕生の1日後に行われるお祝いです。このお祝いでは、赤ちゃんの両親が、自宅に、近所の人や親戚を招き、赤ちゃんの誕生をお祝いします。招かれた人は、新生児の両親に、ベビー用品や食べ物をプレゼントするのが一般的です。また、赤ちゃんの誕生5日後に行われるSepasaranでは、Nasi tumpengと呼ばれる伝統料理、赤ちゃんの誕生後7日後に行われるAqiqahではヤギを使った料理など、それぞれ儀式に合わせた料理がふるまわれます。
また、島や民族ごとに風習や祭事が異なるのもインドネシアの特徴です。中部ジャワエリアでは、新生児誕生の儀式として、赤ちゃんが生まれた当日に胎盤を埋めるMendhem Batirという儀式もあります。
いかがでしたか?出産や新生児の誕生祝いだけでも、国ごとに様々なイベントや儀式があります。インバウンドでは、各国の日本とは異なるライフスタイルやライフイベントを理解し、対象国に合わせたプロモーションを展開していくことが大切です。
FUN! JAPANでは、各国ユーザーのライフスタイルや消費動向に合わせたインバウンド支援や海外展開支援に対応しています。
[Fun Japan Communicationsについて]
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