ベトナム向けSNSマーケティングのトレンド事情と成功のポイント
アジア地域No.1規模の“日本好き”コミュニティサイト『FUN! JAPAN』を運営する株式会社Fun Japan Communications(本社:東京都港区、代表取締役社長:藤井 大輔、以下Fun Japan Communications)が、アジア各国のトレンドを独自リサーチし発表する「各国トレンドシリーズ」。
今回はベトナムのSNSトレンドについて掘り下げていきます。近年バズった企業PRやサービス紹介記事、現地へ発信するSNS投稿で炎上しないための注意点なども紹介しますので、各国ユーザーの特性や消費行動を理解し、貴社のプロモーションに活かしてみてはいかがでしょうか。
PICK UP
・ベトナム人のSNS利用率と人気のメディアランキング
・ベトナム人のSNS利用方法
・ベトナムで成功したSNSマーケティングの事例
・ベトナムでSNSマーケティングを成功させるには?
・SNS投稿での炎上を防ぐための注意点・ポイント
【調査概要】
調査主体:Fun Japan Communications
調査期間:2021年3月~2021年4月
調査対象者:10人、男女
調査方法:インタビュー定性調査
ベトナム人のSNS利用率と人気のメディアランキング
ベトナムでよく利用されるSNSメディア
1位 Facebook ユーザーの90%が利用
2位 YouTube ユーザーの89%が利用
3位 Zalo ユーザーの74%が利用
4位 FB Messenger ユーザーの74%が利用
5位 Instagram ユーザーの46%が利用
参照:https://datareportal.com/reports/digital-2020-vietnamランキングデータ
ベトナムでは、2020年時点で、人口9,714万人中6,817万人(70%)がSNSを利用。とくに近年は、インターネットが急速に普及しており、なんと利用者数は、2019年から2020年の間に620万人(+ 10.0%)増加しました。
人気が高いのはFacebookとYouTube、そして現地生まれのチャットアプリZaloで、とくにFacebookはベトナム人のインターネットユーザーの約90%が利用、YouTubeは89%と高い利用率を誇ります。3位のZaloとFB Messengerも74%と高い数値が続きます。Instagramの利用率はあまり高くなく利用率は50%以下です。
ベトナム人のSNS利用方法
ベトナムでは、SNSを情報収集やコミュニケーションツールとして活用するだけでなく、ビジネス利用や語学などの学習・教育に活用する場合も多いよう。メディアごとの特性を生かしながら、様々な用途に利用されています。
1位:Facebook
幅広い年齢層に利用されていますが、とくに男性は時事問題やニュース、最新トレンドなどの情報収集にFacebookを活用する傾向があります。逆に女性は、知り合いの近況を確認したり、自分のステータスを更新し、情報をシェアしたりするなどの日記やブログ代わりの利用が多いそう。
その他には、個人取引で商品を売買したり、ライブ配信をしたりなど、商品PRや宣伝に活用している人も多いです。
2位:YouTube
ベトナムでもYouTubeは大人気!映画やコンサート映像などの音楽鑑賞、インフルエンサーやYouTuberのライブ配信やニュース番組の視聴など、様々な動画が視聴されています。また、教育熱心なベトナムでは、語学をはじめ資格や勉強に関する学習系コンテンツの豊富。勉強にYouTube動画を活用する人も多いようです。
3位: Zalo
ベトナムのIT企業VNGが開発したモバイルメッセージアプリZalo。日本で普及しているLINEのように、気軽にチャットや電話、ビデオ通話を楽しめるアプリです。個人のプロフィールやタイムラインの情報、写真を更新して知り合いに近況をシェアしたり、ショッピングにも活用されています。また、行政関連のオンライン手続きや健康管理情報、ワクチン接種、食品安全衛生情報などの公衆衛生にも利用されています。
Zaloが、なぜここまで普及しているかというと、操作がシンプルで高齢者にも使いやすいうえ、5分など長い音声メッセージも高速で送れるなど、機能性が優れているためです。
また、自分の現在地からユーザーを検索できる機能、Transport(交通チケット予約購入)、Hotel(ホテル予約)、Bank(ネットバンク)、天気、そしてベトナム人に不可欠の旧暦カレンダーなどがアプリ内で一体化しており、オンオフ問わず、ライフラインとしても使われています。
また、Zalo以外で、ベトナム生まれのSNSといえばZing Meです。主に、ティーンエイジャーをターゲットにしたSNSで、Facebookと似たような機能に加えZing Newsやベトナム最大のオンライン音楽サイトと言われるZing MP3などのエンタメサイトなどと連携でいるのが特徴です。オンラインゲームなどがベトナムに普及したため急成長しました。現在でも、ユーザーは主にゲーム愛好者といわれています。その他にも、Vinaseek、Socbay、Xalo、Monavaなどの独自の検索エンジンがあります。
ベトナムで成功したSNSマーケティングの事例
・Ví Momo
参照: https://www.facebook.com/vimomo/posts/2658289757560338
SNSを使ったプロモーションの成功例として有名なのは、電子決済サービスのVí Momoが行った正月のプロモーションです。
キャンペーンは、アプリをダウンロードし送金などでお金を使うとお年玉や特典がもらえる、友達にお年玉を上げると抽選で豪華な特典がもらえるチャンスをゲットできる、などゲーム感覚で楽しみながらポイントを貯めたり特典をもらえる内容でした。
このキャンペーンのプロモーションで特に効果を発揮したのは、現地で人気の芸能人Tran Thanhや Hari Wonらを起用した動画でのプロモーションでした。また、このキャンペーンの収益の一部が、病気を抱える子どもたちへの支援活動団体に寄付されたことも大変話題になりました。
べトナムでSNSマーケティングを成功させるには?
アカウント人気を高めるポイント
1、 子どもの可愛い画像、生活にまつわるイベント投稿が注目の的に!
2、 ベトナム人インフルエンサーを活用
炎上しないため気を付けたいポイント
1.愛国心が強いため、商品紹介でのMade in Japanアピールは控えめに
ここからは、「アカウント人気を高めるポイント」と「炎上しないため気を付けたいポイント」についてみていきます。
1. 子どもの可愛い画像、生活にまつわるイベント投稿が注目の的に!
ベトナム人は家族や親戚とのコミュニケーションをとても大切にする傾向にある。離れて暮らしている親子や兄弟・親戚が近況を報告したり、確認したりするツールとしてSNSが重要な役割を担っています。そのため、SNSの投稿に関しても、子供の写真を使用した家族を連想させる内容や、結婚・出産などのライフイベント、お正月・誕生日に関する投稿は「いいね」を獲得しやすいそうです。また、児童支援や教育、ボランティアなどに関する投稿も関心を持ってもらいやすい傾向があります。
よく知られているのが、「ベトナム自閉症ネットワーク(Vietnam Autism Network)」のアカウントと、「3つのA」運動と呼ばれるプロモーションです。これは、FBに3つのハッシュタグ「#autism」「#awareness」「#a365」と、スポーツに関する写真などを投稿。1つの投稿につき「A」3文字とカウントされ、「A」が合計10万字に達すれば、ベトナム自閉症ネットワークがカナダのスポンサーから2億VND(約93万円)の寄付金を調達することができる、というもの。このプロモーションが実施された時期、自閉症者を支援する運動が広がる一方、「人の良心を利用し、広告無料でサポーターの宣伝をしようとしている」という指摘も多く挙げられ、SNSで大きな話題となりました。
2.ベトナム人インフルエンサーを活用
参照: https://www.facebook.com/tran.thanh.ne
https://www.facebook.com/hariwonstar
ベトナム人はつながりを大切にします。そのため、先に記載した電子決済サービスVí Momo の正月のプロモーションのように、アプローチする際に、現地で人気のインフルエンサーやYoutuberを起用することが重要です。商品を購入する際も、口コミやレビューを見て購入を検討する割合が高く、インフルエンサーの広告を見た後に、同じ商品を購入したことがあるユーザーは7割以上にものぼるともいわれています。
また、動画を好む傾向があり、Tik Tokでの投稿や、Tik Tokで加工した動画の投稿も人気です。
炎上しないため気を付けたいポイント
1.愛国心が強いため、商品紹介での過剰なMade in Japanアピールは逆効果!
ベトナム人は愛国心が強く、英語力もそこまで高くないため、記事を投稿する際は英語ではなく、ベトナム語を使用する方が好まれます。また、日本への関心が高く日本商品への信頼も厚いですが、自国商品との比較や、過剰なMade in Japanのアピールは敬遠される傾向がありますので、記事も投稿文作成の際には注意しましょう。
いかがでしたか?SNSマーケティングでは、日本とは異なる各国のトレンドや注意事項があります。
記事のポイントを押さえて、貴社のベトナム向けSNSアカウントをより現地ユーザーの好みに合った内容にし、活性化していきましょう。
SNSのトレンド、変化は早いため、自社で現地の情報を常に収集し、その時々での最適なSNS運用を行っていくのは至難の業です。弊社Fun Japan Communicationsではさまざまな企業様・自治体様のSNS運用の代行を実施させていただいており、ご好評をいただいております。
インバウンド支援、海外展開支援も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
[Fun Japan Communicationsについて]
アジア地域No.1規模の”日本好き”コミュニティ『FUN! JAPAN』を運営(2020年10月時点のWebサイト月間ユニーク訪問数202万人、 Facebookファン数465万人)。現地消費者目線で多国展開する『FUN! JAPAN』の圧倒的メディア力と、そこで蓄積されたデータ、さらには消費者との直接的な繋がりを基にデジタルとリアルの施策を組み合わせ、100社以上のお客様に対して訪日や海外商品の売上拡大をサポートしています。